浄水場ってどんなところ?
川などから取り入れた水(原水)を浄水処理して水道水を供給しています。金沢市企業局には、末浄水場、犀川浄水場の2つの浄水場があります。
末浄水場
末浄水場は、金沢市で最初に建設された浄水場です。犀川の表流水を取り入れて、昭和5年に給水を開始しました。現在は、創設時に造られた緩速(かんそく)ろ過方式と、昭和40年に犀川ダム完成により給水を開始した急速ろ過方式の2つの方式で浄水処理を行っています。
「末浄水場施設紹介360°動画」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
末浄水場園地
「末浄水場施設紹介360°動画 ~末浄水場園地 前庭~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
犀川浄水場
犀川浄水場は、内川の水を水源として、昭和48年に給水を開始しました。急速ろ過方式で浄水処理を行っています。また、場内の汚泥処理施設で、浄水処理工程で発生した汚泥(原水から取りのぞいたよごれ)の脱水処理を行っています。
取水口(しゅすいこう)
浄水場へ水を取り込む入口です。スクリーンにより、落ち葉や流木などの大きなごみを取りのぞきます。
自然の傾斜を利用
一般的な浄水場では、川などから浄水場へ水を取り入れる際や、浄水場内で水を送り出す際にポンプを使います。しかし、金沢市では江戸時代から用水が発達していたため、現在も用水の一部を利用して川から水をくみ上げることなく、自然の傾斜を利用して浄水場に水を引き込んでいます。
かわいい見張り役
浄水場では、取り入れた水に体に害がある物質が含まれていないか定期的に水質検査をしていますが、ある生き物にも見張り役をお願いしています。
それは、みなさんご存じの金魚です。
取り入れられた水で金魚を飼育し、その動きを常時、監視しています。金魚の様子がいつもと違っていたり、万が一暴れたりした場合には、ただちに取水を止めて水質検査を行います。
小水力発電
末浄水場では、水の流れる力を利用して小水力発電を行っています。ここで発電した電気によって、浄水場内で使う電気の約3分の1をまかなっています。さらに、残りの約3分の2の電気も再生可能エネルギーで作られた電気を使っています。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~小水力発電~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
緩速(かんそく)ろ過方式と急速ろ過方式
緩速ろ過方式とは、取水した原水のにごりを薬品を用いないで時間をかけて沈澱させ、細かい砂の層でゆっくりとろ過をし、水道水を作る方法です。ペットボトル「金沢の水」は、この方式でつくられた水を使用しています。
急速ろ過方式とは、取水した原水のにごりを薬品を用いて速く沈澱させ、比較的粗い砂の層で速くろ過をし、水道水を作る方法です。
緩速ろ過方式:緩速着水井(かんそくちゃくすいせい)
取水口から取り入れた水(原水)の最初の池です。ここで、原水の水質を調べたり、流量を調節したりします。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~緩速着水井・緩速沈澱池~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
緩速ろ過方式:緩速沈澱池(かんそくちんでんち)
水の中の小さなごみや砂を、自然の力でゆっくり沈めて取りのぞきます。
緩速ろ過方式:水面に浮くなぞの物体
緩速沈澱池にいくつも浮いているこの物体・・・これは、緩速沈澱池できれいになった水をろ過池に送る管の「浮き」で、「浮動管(ふどうかん)」と呼んでいます。水位に連動して、いつでも水面から一定の深さにある、一番きれいな状態の水が取れるようになっています。
緩速ろ過方式:緩速ろ過池(かんそくろかち)
細かい砂や砂利の層に、水を1日に4~5mのゆっくりした速度で通して、目に見えないごみや細菌を取りのぞきます。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~緩速ろ過池~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
緩速ろ過方式:自然の力でろ過
ろ過池の砂の層の表面には、微生物が住んでいます。この微生物が目に見えない細菌などを食べて水をきれいにしてくれています。
緩速ろ過方式:3ヶ月に一度の作業
水をろ過している砂は、毎日少しずつよごれがついていくので、約3ヶ月に一度、表面の砂をけずり取ります。けずり取りすぎると、砂の層に住んでいる微生物がすべていなくなってしまうので、厚さ90cmの層のうち1.5cmだけをけずります。緩速ろ過池は歴史のある施設であり、重機の重さに耐えられません。そのため、この作業は全て手作業で行います。けずり取った砂は、専用の機械で洗い、保管しておきます。
緩速ろ過方式:6年に一度の大作業
約3ヵ月に一度、砂をけずり取っていると、だんだん砂の層が薄くなっていきます。そこで、6年に一度、残っている砂をすべて取り出し、洗って保管しておいた砂を砂利の層の上に敷き直し、取り出した砂を上に戻す作業を行います。けずり取り作業と同様に、この砂の入れ替え作業も、手作業で行っています。
緩速ろ過方式:浄水集合井(じょうすいしゅうごうせい)
急速ろ過方式:急速着水井(きゅうそくちゃくすいせい)
取水口から取り入れた水(原水)の最初の池で、原水の水質を調べたり、流量を調節したりします。
また、ここで小さなごみを沈みやすくする薬品などを入れ、よくまぜ合わせます。入れる薬品の量は、水1,000リットルあたりに平均16ミリリットルとわずかな量です。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~取水口・急速着水井~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
急速ろ過方式:急速フロック形成池
水の中の小さなごみを、薬品とゆっくり回る水車(フロキュレータ)の働きで、大きなかたまり(フロック)にして沈みやすくします。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~急速フロック形成池・急速沈澱池~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
急速ろ過方式:急速沈澱池(きゅうそくちんでんち)
沈みやすくなったフロックを沈めて取りのぞきます。緩速ろ過方式と異なり、ここで水の中にあったごみのほとんどが取りのぞかれます。
急速ろ過方式:急速ろ過池
比較的大きい砂や砂利の層に水を1日に120~150mの速さで通して、目に見えないようなごみなどを取りのぞきます。
砂のよごれの除去は、緩速ろ過池と異なり、逆流洗浄などにより、機械化・自動化されています。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~急速ろ過池~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
取りのぞかれたよごれの行方
浄水処理の過程で水から取りのぞかれたよごれのことを「汚泥」と言います。犀川浄水場内にある汚泥処理施設で、汚泥の脱水処理を行います。脱水処理後の汚泥はリサイクルされ、園芸用の土として再利用されています。
急速ろ過方式:浄水井(じょうすいせい)
ろ過を終えた水に塩素を入れて消毒し、水道水ができあがります。
「末浄水場施設紹介360°動画 ~浄水井・配水池~」※金沢市公式YouTubeチャンネルへのリンクとなります
急速ろ過方式:浄水池
浄水場の停電などに備えて、きれいになった水を地下にためておきます。
配水池
浄水場から送られた水をいつでも使うことができるようにためておきます。金沢市に配水池は全部で38箇所あり、それぞれの配水池から各家庭へ水道水が送られています。また、地震などの災害が発生した場合に備え、応急給水に利用できるよう整備を進めています。
みなさまのもとへ
みなさまのもとへ水を安定供給するために、末浄水場内の中央管理室では、コンピュータを使って、市内にある配水池などの運転を集中管理し、異常などがないか24時間体制で監視しています。
安定供給のために
【施設・管路の耐震化】
主要施設の耐震化を計画的に進めるとともに、主要な配水池及び配水幹線は耐震構造とするなど、災害に強い水道を目指しています。
【経年管の計画的な改良】
金沢市の配水管の長さは約2,425kmで、おおよそ札幌から博多までの長さと同じになります。災害時にも安定供給を行うために、老朽化した配水管の改良工事を計画的に進めています。
【漏水調査】
漏水探知機により、路上の漏水調査を行っています。
また、年に一回、水道メーターの検針にあわせて漏水調査を実施しています。
【水質検査】
安全でおいしい水をお届けするために、きめ細かい水質検査を行っています。
水質検査結果はこちら
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水質検査
もしものときは・・・
わたしたちの生活に欠かせない水。普段は水道の蛇口をひねれば出てきますが、災害などで水道管がこわれた場合には、水道管による水の供給ができなくなってしまいます。そんなときに水を応急給水するのが給水車です。給水車のタンクに水を積み、応急給水が必要な地域へ向かいます。
水道水源を守るために
【水源かん養林の植樹】
水源かん養林は、保水や洪水緩和、さらには自然の自浄作用による水質浄化など「緑のダム」とも呼ばれる重要な役割を果たしており、良質な水源を将来に渡って確保していくために必要な森林です。企業局では、森林を守り育てるための植樹活動を行っています。
【清掃活動の実施】
水源環境の保全のために、水道水源保全区域での清掃活動を、職員及び市民の方々の有志により毎年実施しています。
末浄水場では、施設見学(完全予約制)を受け付けております。